【子育てls】No.33 完全母乳育児
【タイトル】
完全母乳育児は正義?ミルクによる育児は悪?
【導入部分】
「子供に一番良い」「本来あるべき姿」ともてはやされる完全母乳育児・・・通称「完母」。一般的には母乳で子供を育てるのが常識であり、それが自然な姿、子供の為であると考えられています。
しかし、育てる本人から言わせてもらえば「余計なお世話」です。各家庭の色があり、それを外部からとやかく言われる筋合いなどなく、完母は完母なりの、ミルクはミルクなりのメリットデメリットがあるのです。
今回は、そのような完全母乳育児主義者への怒りが収まらないママへ、これらの考え方についてお伝えします。
【本文】
・「どちらが良い?」はナンセンス
「母乳とミルク、子供の為にはどちらがいいの?」と言われれば、それは圧倒的な割合で「母乳」と答えるでしょう。しかし完全母乳育児が絶対と考えている方は、この質問自体がナンセンスである事に気付いていません。
何故なら、母親の身体的状況や考え方、家庭環境等の条件で「良し悪し」が劇的に変化するからです。端的に「母乳が良い!」と声を上げたところで、各々の家庭に前述した条件がマッチしていなければ意味はありません。
逆に問いますが、無理に完母を続けていたが為にストレスが溜まり、結果的に子供へのネグレクト等に発展した場合、それでも完母は「善」なのでしょうか?「そんなのは母親が弱いからだ」と切り捨てる方は、そもそも親である資格はありません。親が居て子であり、子が居て親なのですから。
・完母に勝るとも劣らないミルク
よく「母乳に比べてミルクは・・・」「ようやくミルクも母乳に近づいた」という意見を見ますが、何故そこまで上から目線なのでしょうか?ミルクは所詮母乳の代替品、母乳には到底及ばない、手抜きなど・・・ひどい言われようなのが現実です。
ミルクによる育児をされているママの多くは、大手を振って口外する事が出来ないと思います。理由は、潜在意識の中で「母乳じゃないから・・・」と自分を卑下してしまうからです。
しかし安心して大手を振って下さい。哺乳瓶を熱湯で消毒し、乳首も丹念に洗って衛生面に気を払い、お湯の温度も定温に注意し、赤ちゃんの飲むか、吐かないか、誤嚥はしないかを確認等、その手間暇は完母に勝るとも劣らないのです。
・自分の為でも「子供の為」でもあるという考え
結局のところこれです。自分の為にも子供の為にも・・・と考えるのであれば、「そうなる方」を選べば良いのです。そこに差はありません。
完母が良ければ完母、ミルクが良ければ完母、完母だからとミルクを馬鹿にする権利などありません。その家庭は「ミルクが二人にとって最良」だからミルクなのです。
【結び】
完全母乳育児正義論は未だ蔓延しています。肩身の狭いミルク育児のママは、これらに負けずに「二人の最良」を手放さないで下さい。